2020年5月11日朝刊 The GUAM Daily Post より抜粋、要約

 

グアムでは当初予想されていた8月ではなく、6月にも燃料費に変化が生じる可能性が出てきた。燃料費が下がった場合、失業したり勤務時間の短縮を余儀なくされている多くのグアム島の住民にとっては多少の安心材料となる。

 

ユーティリティー(電気、ガス、水道など)事業統合委員会はさらなるレートの削減になるかは今のところ不確実であるが、楽観的な見方を示している。燃料サーチャージは、エネルギー事業者の収益を確保するために設定され、通常6か月ごとに調整されため、次の調整は8月に予定されていた。しかし、新型コロナウィルス(COVID-19)やその他の市場要因により燃料油の価格が急落したため、4月に下方修正をした価格を再び6月に調整する可能性がある。

 

最近の出荷された260,000バレルは、1バレル約37ドルのコストで入ってくると予想されていたが約31ドルとなった。 ちなみに3月に4月新料金を設定した時、4月1日から7月末まで1バレル53ドルを予測していた。

 

グアム電気事業は既存の在庫を使用し、今年の後半まで最近の出荷を使用する予定はないとしながらも、一般に使用するディーゼル価格でさえ、昨年10月には1バレル80ドルだったが、1バレル約55ドルに下がっている。「燃料コストは底値にあります。これが1バレル$ 20や$ 15になるとは思いません。」と付け加えた。

 

サウジアラビアはロシア同様に生産を削減している。それに他の石油産油国も続いているのが現在の構図である。しかし2つの主要な産油国の駆け引きは続き、グアムでのオイル価格に影響を与える可能性も残されている。

 

世界各国で外出規制、入国規制がされていた4月上旬、アメリカのシェール企業の破綻が伝えられた。新型コロナウィルスによる経済活動の低迷で原油需要が25%減とサウジアラビアやロシアの過剰供給が石油価格の急落の要因ということだった。なるほど、新型コロナウィルスの経済への影響はエネルギー産業までが影響を受けることに驚いた。消費者としては電気代、ガソリン代の値下げは大歓迎、しかしその影で大国の威信をかけた駆け引きが続いていると思うと、ゾッとします。

 

グアムは太平洋に浮かぶ小さな島。しかしながら、その歴史は大国の思惑に翻弄された歴史を秘めています。1521年にポルトガルの探検家マゼランがグアムを発見、グアムの名が西洋に知れ渡り、1565年から333年に渡りスペインの統治下におかれます。1898年米西戦争が始まり、スペイン領のグアムはアメリカ海軍の攻撃を受け、米西戦争に勝利したアメリカの統治になります。1941年には第二次世界大戦が勃発、日本軍がグアムを占領、1944年劣勢に立っていた日本は終戦の前年にアメリカ軍により奪還され、現在に至ります。2016年、北朝鮮の挑発的なミサイル発射が続いた時にも、グアムの観光業は大きなダメージを被りました。

 

地政学的な優位性は、歴史上大国の思惑に利用され続け、その都度島の人々は翻弄されてきたのです。独自の文化が根深く残り、自然と調和した社会を築いているように見えるものの、グアムもやはり21世紀の地球に生きています。オイル価格の推移も米中貿易戦争も、北朝鮮の動向も実はとっても身近な話題なのです。

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