2020年10月20日朝刊 The Guam Daily Post より抜粋、要約

 

パンデミック禍の渡航制限でグアムにおける2020会計年度(10月1日から2020年9月30日)の訪問者数は30年ぶりの低水準となった。2019年度は過去最高の1,616,049人の来島者を記録、2020年度は756,385人となり前年度比53%の低下となった。会計年度の来島者が約75万人であったのは1990年、つまり30年前に遡る。

 

グアム観光局(GVB)の理事長であるアダ氏は「11月末までに陽性率が下がれば、1月か2月に観光客の到着に向けて準備を始めることができます。」と述べ、年明けの観光再開を望んでおり、現在のGVBの主な目標は政府の取り組みを支援することに留まっている。

 

グアムは3月20日に開始されたロックダウン後、7月の観光再開日を計画していたが、COVID-19による感染率と死亡率がその後上昇。大半の航空会社が運行停止、結果として観光業は停滞し観光産業から30,000人以上の労働者が解雇、一時解雇、または労働時間の短縮を余儀なくされた。

 

また、3月から8月初旬にかけてグアムでのCOVID関連死は5人であったが、今週日曜日の時点でその数は66人に急増。現在、3,670を超えるCOVID陽性症例があり入院患者も増加している。新規感染者の陽性率は先週の14%から、日曜日には20%に上昇した。

 

ハワイ観光が再開
ハワイは先週金曜日に観光客受け入れを開始、再開初日には約8000人がハワイを訪れた。「グアムとハワイの観光状況を比較することはできませんが、ハワイの状況から学ぶことがたくさんあります」とアダ氏は言う。ハワイでは72時間以内に受けたコロナウイルス検査が陰性の訪問者に対して14日間の強制検疫を解除している。「日本と韓国の観光客向けのグアム到着前およびグアム出発前のテストは間違いなく検討材料としてあります。しかし、現時点では感染拡大を食い止め、医療崩壊を防ぐことです」と述べた。

 

グアムは観光業の再開ターゲットを何度も想定したがウイルスの蔓延を抑えることができなかった。その結果、業界各社は運営、宣伝、販売を延期し続けている。GVBについても同様に、グアムをCOVID-19に対して安全な目的地として宣伝することはまだできずにいる。

 

2021年の来島者はさらに悪化の可能性
GVBは2021年度の来島者数を約40万人に見積もっている。パンデミックの真っ只中にある2020年度の到着数756,385人よりもはるかに少ない数となる。経済と金融の専門家は、グアムは2021年に備えるべきだと助言している。これは大規模なパンデミック救済策がなく、感染率が引き続き高く、効果的なワクチンがまだ普及していない場合、2020年よりも悪化する可能性がある。

 

現在、グアムホテル&レストラン協会、グアム大学、GVB、およびその他の関連組織でホスピタリティ業種に向けた安全プロトコル、教育、トレーニング強化の取り組みが行われている。コンタクトトレーシングを強化するだけでなく従業員や観光客向けの大規模な迅速検査が提供され、現在の高い陽性率を下げることに成功すれば、1月か2月初旬の観光客受け入れに繋がる。

 

9月単月ではグアムへの来島者数は昨年の137,680人から2,912人に留まり98%の減少、そのうち米国本土またはハワイからが2,431人を占める。2019年9月には韓国から61,412人、日本から59,758人の来島者を受け入れたが、先月は2カ国合わせて72人。暦年で1月から9月の来島者は昨年が1,200,000人以上であったのがわずか今年は321,160人、74%減少となっている。


観光業再開のタイムリミット迫る!

最初のロックダウンから半年以上、今の所毎日欠かさず「グアムの朝刊」をあげることができています。一番驚いたのは日本からの読者が多いこと。グアムのことを気にかけてくださっている方がいることが励みになっています。ありがとうございます!

 

ただグアムとしてこの半年間、日本向けにキャンペーンなどが行われなかったことが残念でなりません。日本の多くの人はこの半年間「グアム」という言葉を耳にしたり、目にしたりすることがなかったのではと思います。

 

ようやく年明けの観光業再開に向けての期待と機運が高まってきているようですが、現実的には経済や観光業を考えた時のタイムリミットであることが背景にあるように思います。現在実施されている失業給付金などの支援策が切れるのが年末、新しい法案が通らない限り多くの企業や家庭の収入源が途絶えてしまいます。なんとしても、年明けには再開しないと….という事情も見え隠れしますが、再開に際しては見切り発車ではなく、理論的、総合的に検討が重ねられ、島内に広く対策を告知し、隅々まで体制を整備してほしいですね。

 

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