2021年7月15日朝刊The GUAM Daily Postより抜粋、要約

 

「これまでも混乱していたが、しばらくは混乱が続くだろう。原油価格の高騰で物価の上昇は続きます。グアムでは観光産業が衰退している中で何千もの企業が混迷し、何万もの労働者が仕事を失ったり労働時間が短縮されるなどしている」グアム銀行のチーフエコノミストであるジョー・ブラッドリー氏は、水曜日に開催されたグアム北部ロータリークラブでの講演でこのように述べた。

 

ブラッドリー氏は、経済予測についての講演を行うために出席したが、予測をまとめるには十分なデータがないと述べた。急速に変化する状況の中で、2020年は2019年、2021年は2020年と比較できない。このような不確実な状況が頻繁に起こることは稀で、パンデミックを最も近い出来事に例えると第二次世界大戦であり、長期にわたる世界的な経済的混乱の時代だった。

 

「経済はとても複雑です。通常、大部分が毎年同じことを繰り返すことができます。しかし、今はそうではありません。今はパーツが多すぎて、グアム経済の未来を予測しようとしてもできません。しかし、確実に言えることは、商品のコストは上昇し続けるということです」という。

 

アメリカは今、サプライチェーンの混乱の真っ只中にあるす。パンデミックの前に中国への貿易制裁から始まり、何十年にもわたって労働力や部品を外注してきた結果、米国内の製造業は激減した。小さな部品を中国から輸入できないため、米国内の企業は自動車を作れなくなったり、食品やITなどの分野でも、同様のサプライチェーンの混乱が起きている。

 

同氏は「世界的な貿易状況の影響を受けるグアムの商品価格は、燃料油を考慮に入れるとさらに上昇するという。エネルギーはグアムの生活費の中で非常に大きな割合を占めているため、輸送費、航空運賃、ガソリン、発電所の燃料など、これが今後の障害のひとつになると思います。グアムのインフレ率の要素のひとつは、エネルギーコストです。そして、エネルギーはもちろん、プラスチックから農作物まで、私たちが消費するほとんどすべてのものの生産に使われています」という。

 

観光と軍事は「完全な互換性」がない
ブラッドリー氏は、島の経済を支える2つの大きな柱、観光客と軍事費について触れ、2020年の政府の収入と雇用の主な源は連邦政府が出資する建設プロジェクトだが、軍がもっと貢献できたのではないかと述べた。

 

「海兵隊員は6ヶ月間海に出ています。陸に戻り街に出すと、お金をたくさん使います。しかし、彼らの岸壁休暇は最近まで社会に出たがらないようです。COVID-19の変異種や主要マーケットのワクチン接種の低さはグアムではコントロールできないため、地元の観光産業の回復を予測するのは複雑です。島の経済は復活するでしょう。しかし、戻ってきた時にはまた違った形になっていると思いますし、どれだけ早く回復軌道に転じるかはわかりませんが、グアム政府観光局もグアムホテル・レストラン協会も良い仕事をしていると思います。しかし、彼らは深刻な問題に直面しているのです」と語った。

 

ブラッドリー氏は、観光と軍事の2つの産業は「完全に相容れるものではない」とも語っている。湾岸戦争の際には軍のプレゼンスが高まり、それに伴って観光客が減少し、それがグアム経済が不安定になった原因のひとつであるという。


グアムの海を独り占めできる今、
旅行をお考えの方はご連絡ください。

コロナ禍で何度もエコノミストの見解や政府機関の予測が何度か記事になってきましたが、今日の記事が一番しっくりくるものだったようです。コントロール不能な要素も多く、世界的規模で変動する事象もあり予測不能であるのが事実でしょう。そんな中で数字が提示される方が不可解な気がします。また、軍事業と観光業お親和性についてもふれているエコノミストの見解に触れたのは初めてであるように思えます。しかし、2つの主要産業の棲み分けや両立を議論したりすることもなさそうなので、コロナ後の企業活動にはリスク要素として加味する必要がありそうですね。

 

ワクチン接種完了者やPCR検査の陰性証明の持参(抗原検査はダメ)でグアム入国時の検疫が免除され始め、渡航の自由が進んではいますが、日本や韓国からの旅行者の姿はありません。それぞれの国に帰国した際に検疫があるのがネックではありますが、日本に関しては7月に入り東京オリンピックのため成田空港の検疫手続きに時間がかかっているという話もあり、渡航意欲が削がれているのかもしれません。本日、成田入りする友人から成田空港のリポートが入る予定ですので、近々ブログで報告しますね。今なら白砂のビーチを独り占めできるグアムの海が広がります。この時期にグアム旅行を計画されている方がいれば、guamloversbyohasu@gmail.comまでメールをいただければ、個別にグアムの状況やご質問にお答えしますよ。

 

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