2021年11月16日朝刊The GUAM Daily Postより翻訳、抜粋、要約

19歳の安藤サラは、明るく元気な10代の女の子です。しかし、セスナ172の操縦席に座ると、管制塔と航空用語で会話する軽飛行機のパイロットに変身、管制塔との交信、気象状況の把握、操縦方法の説明などを行う。離陸後、一面の曇り空の中、セスナ機をゆっくり南下させ、高度4,000フィートまで100ノット(時速115マイル)で上昇すると、ココス島とラグーンが午後の太陽に照らされ、まばゆいばかりの蒼さで浮かび上がってきた。

 

飛行中、乗客に向かって、あるいは自分自身に向かって、大気速度や高度の確認、管制官との連絡、垂直方向の速度表示や高度表示の確認、機体の調整などをノンストップで行う。「フライトデータの自己検証のために、自分に言い聞かせているのです」と話す。

 

小さい頃からパイロットになりたいと思っていた安藤さんは、航空一家に生まれた。「義父は民間航空会社のパイロット、母は客室乗務員で、小さい頃からパイロットになりたいと思っていた。

 

サラさんの航空業界への道は、ハーベスト・クリスチャン・アカデミーを卒業後、フライトスクールという形で開かれた。17歳でアリゾナ州フェニックスに向かい、米国最大のパイロット養成会社であるATPフライトスクールに入学した。

 

「私はATPフライトスクールのフェニックス校に通いました。一番大変だったのは、家を離れたことです。10ヶ月間、一人でフライトスクールの学生寮に住んでいましたが、多くのクラスでは私が最年少でした」と話す。

 

安藤さんは17歳のときにプライベートトレーニングを開始したが、COVID-19のパンデミックの影響で4〜5カ月間中断したものの、認定フライトインストラクター、計器およびマルチエンジンインストラクター、シングルエンジンおよびマルチエンジンランドの計器およびコマーシャルの資格を取得したという。

 

サラさんがフライトインストラクターとして勤務しているエア・サービス社の社長であるロケ・マタナネ氏は、短期間にこれだけの資格を取得したことは素晴らしいことだと語る。しかし、その費用は決して安いものではなく、航空教育に約10万ドルを投資したと推定される。安藤は17歳のときにプライベート・パイロット・トレーニングを開始し、18歳のときにはプライベート・パイロット・ライセンスを取得することができた。

 

「現在の資格と飛行時間があれば、フライトインストラクターやバナーのトーイング、観光などの仕事ができます。飛行時間を増やすことで、仕事の選択肢も広がっていきます。アメリカで飛行時間を稼いで、そこで仕事を見つけようと思っていましたが、グアムに戻ってきたら、エア・サービス社から仕事を紹介されました」とサラさんは話す。サラさんは現在、フライトインストラクターとして、プライベート・パイロット・ライセンス取得を目指す約10人の生徒をサポートしている。

 

マタナネ氏は、「グアムで航空業界に入るのがいかに難しいかを知っています。若いサラは努力を続ければ可能であることを示したヒーローであり、インスピレーションの源です」と話す。

 

Women of Aviation Internationalグアム支部の会長でビジネスオーナーであり、プライベートパイロットでもあるPearla Corderoさんは、「若くして素晴らしい資格をいくつも取得しているサラにのようにグアムから航空業界でキャリアを積むための道を歩み始めた人は、とても珍しいことです」と話す。

 

サラ自身は、このような高い評価を受けても、謙虚な姿勢を崩さない。「私はスターでもヒーローでもありません。できることなら、人々にインスピレーションを与えたい。パイロットになることは素晴らしいことで、達成できない目標のように思えますが、多くの人が想像する以上に手の届くところにあるのです」と語った。


スペシャリストとして活躍する
グアム育ちの子供たち。

今日は紙面に懐かしい笑顔を見つけました。サラさんが小学生の頃から知っている私としては、あの頃の目標に向けて進み、成し遂げたことを知り、嬉しく思います。コロナ禍での高校卒業と進学となった彼女たちにとっても、この一年半は不安もあり、計画通りにいかないことも多々あったと思いますが、目標を失わず邁進したことを素晴らしと思います。

 

また、さまざまな事情で学業や暮らしに影響が出ている人も多く、サラさんは恵まれた環境であったのかもしれませんが、自分の置かれている環境で夢を実現する道を模索することも若い世代にとっては大きな意味があると思います。

 

日本の教育とアメリカの教育の違いの一つに、高校卒業後に多くの子供達がどのフィールドでキャリアを積むかを意識して進学することにあります。いずれの国にもそれぞれの良さがあるので一概には言えませんが、グアムで育った子供たちを見ていると、高校卒業後の進路の専門性を重視する傾向があるように思います。

 

サラさんにように幼少期からの夢を持ち続ける人は少ないかもしれませんが、グアムの子供達がスペシャリストとしてグアム島に戻ってきてさまざまな分野で活躍してくれることを願います。

 

 

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