2022年3月23日朝刊Pacific Daily Newsより翻訳、抜粋、要約

編集部注:グアムでの食料品などのコスト上昇に注目した連載の4回目。

 

多くはコストが下がらないため、労働者はインフレに勝たなければならないと、グアムの金融専門家デビッド・ジョン氏は指摘する。パンデミックに見舞われたグアムの観光経済が回復し、より多くの人々が仕事に復帰できるようになる必要があると述べている。マスク着用義務など、残るCOVID-19のパンデミック規制はいずれ解除されるでしょうが、それで経済が変わるわけではないとも言う。

 

日本や韓国の旅行者が、グアムやその他の目的地に旅行した後、自国で検疫や検査なしの入国を許可するようになれば、経済を良いレベルに戻す。グアムではコントロールできないこと。日本と韓国政府が無制限の旅行を許可すれば、グアムの経済は「政府からの財政支援なしでビジネスが維持できる」レベルまで回復できるとジョン氏は楽観的だ。

 

2022年はオミクロンの急増でスロースタートとなったが、ジョンは後半は観光客が戻ってくると楽観視している。「今年は極めて重要な年です」とジョンさんは言いますが、グアムの観光産業がパンデミック前の年間100万人以上の入国者数に戻るには、何年もかかるかもしれないと考えている。

 

グアム大学の経済学者クラレット・ルアン氏によると、パンデミックの間、何十億ドルもの連邦パンデミックファンドとインフラへの軍事費がグアムの経済を支えてきたという。しかし、希望としては、パンデミック資金が枯渇する前に、観光産業が再び回復し始めること。グアムは安全性、美しさ、近さ、そしてCOVID-19ワクチン接種対象者(5歳以上)の約96%の完全接種率により、韓国と日本の観光客の関心が高いとグアム観光局(GVB)は述べている。

 

2019年の法律とその改正に基づき、グアムの最低賃金は2020年3月に8.25ドルから8.75ドルへ、さらに2021年3月には9.25ドルへ引き上げられた。しかし、現在のインフレは多くの労働者の賃金上昇を打ち消すものとなっている。

 

「インフレの問題点は収入を侵食することで、実質所得が減少することです。私たちはいつも、ドルの消費力とは対照的に、どれだけ稼ぐかを考えています。観光業が再び盛んになれば、より多くの人が仕事に復帰し、物価も安定し、商品やサービスを購入する余裕が生まれるだろう」とジョン氏は言う。「私の予想では、物価はそれほど下がらないと思う。しかし、物価の上昇幅は小さくなり、暴落することはないでしょう。インフレや物価の上昇は自然なことであり、一定の割合で起こるのは良いこと。しかし、今起きているのは高インフレ」とジョン氏は言う。

 

パンデミック(世界的大流行)が起きた時、アメリカ経済は縮小した。何兆円ものパンデミック救済基金が発行され、ワクチンも行き届いた。企業は再開し、アメリカ本土で再び労働者を雇うようになった。経済が通常通りに成長するのではなく、アメリカ経済はあまりにも速く成長した。人々は家具、車、家、食料品にお金を使うようになったが、生産者と供給者はこの需要に追いつくことができない。その結果は、インフレ率の急上昇、物価はますます高くなった。

 

また、付加的な要因もあります。ウクライナ・ロシア危機の影響で、グアムではレギュラーガソリンが1ガロン6ドル近くまで高騰していることもある。ジョン氏は、高インフレを防ぐために自治体ができることには限りがあると言う。短期的な解決策として、政権は、連邦政府のパンデミック救済資金を使って300ドルのガソリン引換券を展開。その他の長期的な支援としては、より多くの中小企業を支援するために、最近署名された超党派の減税法がある。GEDAは企業が従業員を雇用し、企業活動を継続し、家賃を支払えるようにするためのプログラムを展開た。さらに多くのプログラムが計画されているとジョン氏は言う。

 

地産地消
UOGの経済学教授であるルアンは、インフレの影響を減らすもう一つの方法は、野菜や果物だけでも地元での生産を増やすことで、輸送費が食費を圧迫する心配がなくなると言う。また、政府のルールも重要だという。海に囲まれたグアムでは、魚介類のコストが29%上昇したが、これは主にアメリカから商品を輸送しているため。

 

グアムは地元と連邦の漁業法が絡んで、多くの人が自給自足漁業や商業漁業を行えないと言う。地産地消を支持するかどうか尋ねると、多くの人がイエスと答える。しかし、3ドルの中国製シャツではく30ドルのグアム製シャツを買いたいと思うか、グアムは生産コストが高くつくことが勝負どころ。

 


Imagine all the people
living life in peace
心に沁みます。

 

今日の記事でも高インフレの中を生き延びるアイデアとかインフレに強い島内経済を作るアイデアはなかったですね。数日前の記事ではインフラに慣れる、今日はインフラに勝つ、その意気込みだけで乗り切れるのか心配です。ほぼゼロからのスタートとなる観光産業が支援が途絶えた中で何年もかけて活動を続ける体力があるのか、世界的なインフレで生活が逼迫する中で観光業は加速的に回復軌道を描けるのか、今回の影響を生かしてリスクを減らす産業構造を再構築へ踏み出せるのか、疑問や不安が尽きません。

 

いずれにしても行政ができることと、個々にできることは違います。グアムに行きたい、少し高くてもグアムで〇〇がしたい、〇〇が欲しい、と思えるようなアイテムを作っていくことがまず第一歩かもしれませんね。

 

インフレの一因で、インフレの進行の原因となっているウクライナ情勢。まだ、先が見えない一進一退の状況のようですが、多くの人の涙や悲惨な状況を目にすることが辛くてなりません。人類は世界はインテリジェンスを身につけていると信じていたのですが、過去からの教訓を未だ活かせられないのだと思うと悲しいです。最近では「intelligence」という言葉も、戦略的知性(SI: strategic intelligence)や戦略情報収集能力のような使われ方を耳にすることの方が多くなっています。本来のインテリジェンスの意味に立ち戻り平和な世界が訪れることを願っています。

 

今日はジョンレノンのImagineに合わせて美しいタモンビーチに寄り添うホテルステイをリール動画にしました。

 


 

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