2022年10月10日朝刊Pacific Daily Newsより翻訳、抜粋、要約

 

北朝鮮は、米空母の朝鮮半島近辺への再配備が地域の緊張を高めていると警告した翌日、2週間で7回目となる短距離弾道ミサイルを東部海域に向けて発射した。グアムの民間防衛当局と米軍当局は、この発射はマリアナ諸島に脅威も与えないとしている。グアム国土安全保障顧問のサマンサ・ブレナン氏はニュースリリースで、「地域社会はあらゆる危険に対する備えを堅持するよう喚起されている」と述べた。ハワイの米インド太平洋軍は同盟国と協議していると述べた。

 

同司令部は声明で、「今回の事態は、米国の人員や領土、同盟国に対する直接的な脅威にはならないと判断しているが、ミサイル発射は、北朝鮮の非合法(大量破壊兵器)および弾道ミサイル計画がもたらす懸念を高めている」とも述べている。

 

韓国の合同参謀本部は声明で、日曜日の午前1時48分から1時58分の間に、北の東部沿岸都市であるムチョンから発射された2発のミサイルを探知したと発表、韓国軍は監視態勢を強化し、米国と緊密に連携して態勢を維持していると付け加えた。日本の井野俊郎副防衛相も発射を確認し、「北の実験活動は地域と国際的な平和と安全を脅かすものであり、絶対に容認できない。今回のミサイルは潜水艦発射弾道ミサイルである可能性がり、海から発射された可能性を含め、ミサイルの詳細を分析し続けている」と述べた。

 

潜水艦からのミサイル発射は事前に検出することが困難であるため、敵対国にとって警戒すべき展開となる。北朝鮮は潜水艦からのミサイル発射実験を行ったのは5月が最後とされている。井野氏によると、日曜日に発射された2つのミサイルは、朝鮮半島と日本の間の海域に落下する前に、最大高度60マイルで約217マイル飛行したという。

 

岸田文雄首相はできる限りの情報を収集・分析し、国民に実験に関する最新情報を迅速に提供するよう指示した。また、日本近海のすべての航空機と船舶の安全を確保し、あらゆる事態に備えるよう求めたという。

 

今回の発射は、米国と韓国が朝鮮半島東部沿岸で2日間にわたる海軍訓練を実施した数時間後に行われた。この訓練には原子力空母ロナルド・レーガンとその戦闘部隊が参加しており、先週この地域に戻っていた。土曜日、北朝鮮国防省は、レーガンの再配備が地域の安全保障に「大きな負の波紋」を与えていると警告していた。北の国防省は最近のミサイル実験を、韓国と米国の威圧的な軍事訓練に対する「正当な反応」だとしている。また、北朝鮮は、米国の核の脅威に対処するために核兵器開発を追求せざるを得なかったとも主張している。米国と韓国の当局者は、北を攻撃する意図はないと繰り返し述べている。

 

北朝鮮は、今年記録的なペースでのミサイル実験を繰り返している。最近のミサイル実験では、5年ぶりに日本上空を通過した核搭載可能なミサイルが含まれている。このミサイルは、グアムやその先に到達するのに十分な距離、約2,800〜2,860マイルを飛行したと推定されている。

 

日曜日の発射は、北朝鮮の与党である労働者党の77回目の創立記念日の前夜に行われた。今年初め北朝鮮は、米国本土とその同盟国である韓国と日本想定した核搭載弾道ミサイルの実験を行っている。北朝鮮の一連の実験は、金正恩委員長が米国との外交を再開するつもりはなく、核開発拡張に集中したい意向であることを示している。しかし、専門家の中には、金正恩は最終的には高度な核開発プログラムを利用して、より大きな外部からの譲歩を引き出すことを目指すだろうと言う見方をしている人もいる。例えば、北朝鮮を正当な核保有国として認めさせ、自国に対する国連の厳しい制裁を解除してもらうために不可欠だと金正恩は考えているという見方を示す人もいる。

 

韓国当局者は最近、北朝鮮が2017年以来初の地下核実験を行う準備を維持しながら、新しい液体燃料の大陸間弾道ミサイルと潜水艦発射弾道ミサイルを実験する用意があるとも述べている。

 


状況がエスカレーションする日々、
慣れることなく冷静な視点を。

北朝鮮のミサイル発射は今年40発に達しているのではないかと思うほどの頻度ですが、グアムの新聞ではその都度報道されることはありません。しかし、飛距離を伸ばしたり、変則軌道で飛翔したり、移動式発射台からの可能性などが指摘される場合だけ紙面に上がっているようです。

 

先週グアム知事は、バイデン政権が提示した米太平洋パートナーシップの宣言に基づく第1回米国太平洋島嶼国サミットに参加、米インド・太平洋軍の重要拠点グアムが先見性のある計画と投資により、グアムを前進させるための準備を整えたことを確認したようです。軍事的な内容なので詳細が伝わることはありませんが、さまざまな状況を想定した体制が整えられているのでしょう。

 

想定外の出来事や衝撃のニュースが毎日のように報道される日々、エスカレーションに慣れ麻痺することなくアンテナを張り巡らせておくべきなんでしょうね。

 

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