2022年1月3日朝刊The GUAM Daily Postより翻訳、抜粋、要約

 

ティタズベーカリーのレオン・ゲレロさんはビジネスのためにローンを組みたくはないという。「ローンを組むことを勧められたこともありますが、私は怖いのです。もし私が払えなかったら…….、私が持っているものも失いたくないのです。これは私の両親から受け継いだ考え方なのです」という。

 

長年グアムでビジネスをしているティタズベーカリーもパンデミックでかなりの打撃を受けたという。娘が経営するティタ・ジュニア・クッキーズもこの21カ月間、苦境に立たされている。観光業が停止すると、ホテルやDFSなどタモンに拠点を置く企業からの注文は停止した。

 

しかし、幸いなことに状況が好転している。「ちょうど今朝、ウェスティンから電話がありました。小さな注文でも、たとえ25袋と言われても届けに行くんです」とレオン・ゲレロさんに語った。1965年以来、彼女は試行錯誤を繰り返しながら経営計画を立ててきた。「その日の稼ぎが1ドルなら、材料費として50セント、使う50セントを節約するのです」と言う。

 

9.11のテロ事件で他の店が閉店した時、ティタズ・ベーカリーは営業を続け、あの時代を生き抜いたことを神に感謝している。そして、今回のパンデミックでもグズリアを作り島中の顧客に届け続けている。彼女の名前は、もはやチャモロの伝統的なお菓子グズリアと同義語になっている。ティタズ・ベーカリーはグズリアのほかにロスケッティも販売している。

 

グズリアはココナツをすりつぶし、ジュースして水とココナッツと混ぜ、材料全部を混ぜるという簡単そうなレシピですが、何十年にもわたって事業を継続、維持することの大変さは、経験豊富なビジネスパーソンなら誰でも知っているはず。83歳の彼女は、今でもベーカリーで働き、夜には会計帳簿を確認し、簿記係に引き継ぐ。ティータズ・ベーカリーは、1965年の創業当時と同じように、2021年現在も小規模で経営している。

 

パンデミックの前、ティータズ・ベーカリーには4人のスタッフがいたが、パンデミックで1人の従業員を失った。ビジネスが再び回復し始めると、彼女の長年の従業員が戻ってきた。ティータズ・ベーカリーはファミリービジネスで娘さんたちは学校に行く前に、夫も自らの仕事の後に経営を手伝った。ある日、ご主人がテーブルの上に座ってスケッチを始め、そのデザインがTita’s Guguriaのパッケージとなった。

 

数十年に渡りグズリア市場を独占してきたレオン・ゲレロさんは、競合他社も大歓迎だという。競合他社の出現が彼女を動かし、製品の改良に向かわせるという。ある企業は建物の側面や新聞、Facebookの投稿、YouTubeビデオ広告など、あらゆる場面で潜在顧客の注目を集めようとしているが、ティタズ・ベーカリーの製品は何もしなくても売れる。オンラインでの商品の販売も、ハワイや他の州への進出の打診も彼女は断っている。彼女のグズリアは地元の商店、食料品店、ガソリンスタンド、軍事基地などで販売され続けている。

 


時代に踊らされないために
肝に銘じておきたい先輩の言葉。

 

個人的にも親しくさせていただいているレオン・ゲレロさんは尊敬する女性経営者の一人です。地に足がついたビジネスを50年続けてこられた実績は揺るぎなく、社会の変化や時代の移り変わりをも乗り越える力強さを感じます。そこには努力を惜しまない、多くを望まない、自分のスタイルを守るという謙虚さを感じてきました。デジタル化がいくら進んでも彼女の一言一言には普遍的な価値観に裏付けられた自信があります。

 

困難な時期には、とかく時代を先取りした経営戦略が話題になりますが、「フレッシュで美味しい地元のお菓子を届ける」というシンプルですが究極の経営方針を貫き通す姿勢や生き方は、学ぶことが多く働く女性のお手本です。

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