未だ日本では馴染みがない国際バカロレアという教育プログラム。インターナショナルスクールだけでなく、一条校でも取り入れている学校が少しずつ増え始めています。今回はこの春、日本の高校で国際バカロレアのディプロマを取得して一条校を卒業した長女についてまとめてみました。

国際バカロレアの詳細については、インターネットで多数紹介されているので、そちらをご覧ください。

激動する世界、課題山積の日本社会、子供達を取り巻く環境が厳しいにも関わらず詰め込み型の教育システム、偏差値重視の教育制度学歴偏重の就職市場、旧態依然とした社会構造が脈々と引き継がれています。グローバル教育の名の下で入試システムが多様化したり、留学生が増えたり、個性的なプログラムを提供する大学ができたりしても、偏差値重視の入試システムには変わりがなく、高校では相変わらず暗記重視の詰め込み型教育が続いています。

わたしの知る限り、アメリカの教育も大きな違いはなく、学業成績とアメリカのセンター試験にあたるSAT試験の結果が合否を左右します。もちろんスポーツやボランティアなどの活動が考慮される部分はありますが、特別すばらしい実績がある場合をのぞき、日本よりも考慮されるウェイトがやや高い程度です。

それなりに勉強して、クラブ活動を楽しみ、ゆる〜い学校生活を送っている娘を見ていて、昭和の時代に何の目的もなく学校に通い、なぜか良い成績を残すことを求められ、何を学ぶかでなく大学の名前で進路を決めるような風潮だったことを思い出し、「このままいくと自分の時代と変わらないな〜」と思えてきたのです。

自分が社会に出てから、学生時代の長〜い時間を無駄に過ごした、と思うことが多々ありました。感受性の強いティーンの時代、偏差値にもSATスコアにも惑わされることなく、社会のことを見渡し、自分にできることが何か、興味があることは何なのか、そんな気づきをしてほしいと思い、娘に提案したのが国際バカロレアディプロマ(DP)プログラムを取り入れたコースへの進学です。

そのままストレートに高校卒業まで進むんだろうとたかをくくっていた娘にとっては青天の霹靂、当初は母親の提案に驚くばかりでしたが、自分でも国際バカロレアについて調べてみて、「大変そうだけど、やりがいもありそう」というところにたどり着いてくれて、国際バカロレアDPコースへの受験を承諾、進学しました。

なんとかディプロマを取得し卒業した今、親としては「本当に行かせてよかった」というのが実感です。どれほど大変だったか、難しかったのか親は知る由もありませんが、引っ込み思案で新しいことに挑戦することを躊躇する性格が前向きに動けるようになり、自分の進みたい道を主張するようになりました。卒業式の日(あいにく新型コロナの影響で保護者の出席は見送られました)手紙を受け取りました。「本当にこの学校に進学させてくれてありがとう。自分を見つめ、自分の進む道を見つけさせてくれた高校生活を送る機会を与えてくれたことに感謝しています。」というような内容でした。

人生に失敗はつきもの、彼女もこれから多くの失敗を積み重ねていくでしょう。高校生という貴重な三年間に社会の出来事や課題について考えを深め自分の意見までたどり着く作業を繰り返すことは大切ではないかと思うのです。そして一人一人考え方が違って当たり前人と違うことに価値があるという考えを植えつけたようです。失敗を恐れない前向きな姿勢立ち上がり方向転換できる柔軟性、その心得は少なくとも学べたのではと思うのです。お子さんを暗記学習から解放して様々な事柄について幅広く学び、自分なりの考えにたどり着く、そんな学習をさせたいと思うお母さん、国際バカロレアについて調べてみてはいかがでしょう?

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