2022年1月21日朝刊Pacific Daily Newsより翻訳、抜粋、要約

2021年9月にグアム政府が行った調査では、当時仕事に従事していない労働人口54,190人のうち、合計50,410人が「仕事をしたくない」と回答していることがわかった。残りの3,780人は、調査期間中に仕事を希望したが、仕事を探さなかったと回答しており、その理由の多くは 家族の世話や求人がない、仕事が見つからないと考えている。

 

グアム政府はグアムの失業率が、2020年12月のパンデミックによる19.4%から、2021年9月には8.1%に当たる5,660人まで低下し改善が見られたことを強調した。グアム政府は失業率を積極的に求職活動をしているが、就職できなかった島民を失業者としてカウントしているに過ぎない。

 

1年前より改善されたとはいえ、グアムの最新の失業者5,600人は、COVID-19が発生する数カ月前の2019年9月に報告された2,580人を依然として大きく上回っている。しかし、グアム労働省統計局のデータに基づくと、グアムの16歳以上の人口のうち、仕事を望まない人が多くなっている。

 

仕事をしたくないと答えた一般市民は2020年6月の調査では47,040人。2021年9月は50,410人、7%増えた。また、「仕事をしたいが仕事を探さない」も2020年6月の1,880人から3,780人に増加した。

 

就職活動の難しさ
訪問、就職フェアへの参加、オンラインでの応募などでも採用されなかったという人たちもいる。「多くの募集に応募したが、何の反応もないようだ」と、20代のシエラ・さんは言う。ジーナさん(40歳)は、レジ係からサーバー、プレップコック、キッチンヘルパーと、飲食業界での経験があるという。「何度も面接を受け、ジョブフェアにも行きました。オンラインで応募し、ウォークインもしました」と彼女は言う。応募したレストランの1つでは、「資格がありすぎるから採用しない」と言われた。さらに悪いことに、他の多くの人が仕事を探している。「私は面接のたびに働きたいだけで何でもします、と言うのですが、同年代の友人や家族からは若い人を雇いたいに違いない」と言われ続けています。

 

半数以上が失業
2021年9月のグアムの生産年齢人口は124,110人で、半数以上が無職だった。2019年9月は57.3%、2021年6月が57.5%、2021年9月は54.8%、働く現役世代のグアム人が減少していることもわかった。

 

2021年9月の調査は、パンデミック失業支援(PUA)が終了する頃であった。グアム労働省は後に、PUAの請求者は雇用された場合よりも多くの支給を受けたと述べている。グアム知事は声明で「パンデミックに直面しながらも政府は雇用創出と経済発展を最優先事項として取り組んでいます。失業率が着実に低下していることは、島民が今日まで積み重ねてきた回復力を象徴しています。熟練労働者のためのブートキャンプ、実習前プログラム、思慮深い投資を通じて、私たちは地域社会に雇用を確保する十分な機会を提供するために多大な努力を払ってきました。この最新の雇用率は明るい兆しであり、私たちに回復への道を歩み続けるよう促してい流のです」 と述べた。

 

グアム副知事は、同じ声明の中で「有給雇用が増加し、経済の歯車が同調することで、グアムは前向きな成長を遂げつつあります。それでも、まだ達成しなければならないことが残っています。私たちは観光産業を再構築し、活性化させることで、多くの観光客を迎え入れます。さらに多くの雇用を創出し、将来の課題を克服する持続可能な労働力を確保するために、経済の多角化を進めています。私たちは、これらの目標やその他の多くの目標を達成するために積極的に取り組んでおり、前進を続けています」と述べた。

 

グアムの国勢調査による2020年の推定人口は、軍人を含めて153,836人。


業界や世代によっては
非常に厳しい雇用環境。

色々な数字が挙げられ、誤解を招きそうなショッキングな見出しになっていますが、私が一番驚いたのが人口の減少です。2019年には168,000人ほどだったはずで、軍関係者の人口流入も考慮すると5%程度の人口減になるのではと思います。就学年齢の子供を抱える世代を中心にパンデミックで人口流出が起こってきたことは肌感覚でも感じること。このような流れが労働人口の減少に繋がっているのでしょう。

 

また、見出しを飾る「仕事をしたくない」と回答している人の数ですが、介護や子育てなどで仕事に就かない人が一定数あることは何ら不思議なことではなく、パンデミック禍で学校がオンラインになったり、デイケアがクローズすることが頻繁に起こっている中で7%程度の上昇は納得できる数字で、注目すべき数字ではないように思います。

 

一番の問題は雇用側と応募者とのミスマッチを指摘したり分析されていない点にあると思われます。アメリカの採用現場でよく聞かれる「over qualified」という言葉、スキルやキャリア、学歴がありすぎて求められているポジションにふさわしくないということが不採用の理由に頻繁に挙げられます。グアムではパンデミックでダメージを受けた観光関連事業を中心にスキルやキャリアを生かせる転職先が見つからないという状況があるのではと思います。さらに前職の給与レベルでとなると一層難しいでしょうし、逆に新しい分野でエントリーレベルから新たにスタートしようとしてもスキルアップや経験が仇になる悲しい現実も推測されます。失業率や求人数など表面的な数字に惑わされることなく、しっかり分析しないと実情は見えないでしょう。

 

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